持続化給付金のB-1創業特例(2019年1月から12月までの間に設立した法人に対する特例)は対象でも受給できないケースがある


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持続化給付金のB-1創業特例(2019年1月から12月までの間に設立した法人に対する特例)に関してです。

詳細についてはこちらもご覧ください。

持続化給付金のB-1創業特例で一期目が終わっていない人は、証拠書類等に関する特例A-1も満たす必要がある

持続化給付金のB-1創業特例について

2019年1月から12月までの間に法人を設立した場合、対象月の月間事業収入が、2019年の月平均の事業収入に比べて50%以上減少している場合、特例の適用を選択することができます。

例えば、

10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月
50 50 80 40 40 35 40 20

の場合、2019年の事業収入は180万円となります。

3か月間の平均売上は60万円ですが、2020年5月は20万円ですから50%以下となり持続化給付金の対象となります。

給付額の計算式

上記ケースの場合、以下の計算式となります。

2019年年間事業収入(180万円)÷開業月数(3)×12=720万円

ここから、2020年の対象月収入(20万円)×12を引くと、720万円-240万円=480万円となります。

ただし上限額は200万円ですから、この場合200万円の支給対象となるわけです。

申請に必要な書類

ではこれで申請すれば支給されるかというと、必ずしもそうではありません。

申請用の書類に目を向けてみると、

対象月の属する事業年度の直前の事業年度の確定申告書類(事業年度が複数にまたがる場合は、2019年中の全ての月間事業収入がわかるものを提出すること)

対象月の売上台帳等

通帳の写し

履歴事項全部証明書(設立日が2019年1月1日から12月31日のものに限る)

となっています。

まだ最初の決算が来ていない場合、直近事業年度の確定申告書は提出ができません。

このため「直前の事業年度の確定申告が完了していない場合」という注記があります。

この場合は「税理士の署名押印済の前事業年度の事業収入証明書類」となっており、まだ最初の決算日が来ていない場合、「税理士の署名押印済の前事業年度の事業収入証明書類」を提出することとなります。

これは試算表でも問題ありませんし、売上が分かれば試算表でなくてもかまいません。

問題は顧問税理士がいない場合

さて、当初は経理も単純であったり今の時代会計ソフトも充実していることから、こうした創業間もない会社の場合「顧問税理士がいない」というケースが少なくありません。

この場合、印鑑だけ押してくれる税理士がいるかというと当然ながら困難です。

当社で持続化給付金コールセンターに問い合わせたところ、税理士の署名押印があれば公的書類として扱える、ということでした。

実際に顧問契約がないまま公的書類となるものに署名押印するリスクを負うことはないでしょう。

では顧問税理士がいない場合どうすればよいのでしょうか?

税務署に問い合わせたところ、当然ですが税務署でも対応不能ということでした。

また税理士会でも対応不能ということで、顧問税理士がいない場合、事実上救済策はありません。

計算上は支給対象ではありますが、持続化給付金コールセンターによると、この場合支給不可となるという回答でした。

なお、署名押印がない場合不備としてメールが来ます。

よって、支給額など勘案の上、顧問契約について検討する必要があるかもしれません。

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持続化給付金のB-1創業特例で一期目が終わっていない人は、証拠書類等に関する特例A-1も満たす必要がある


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